はんびらき⑤
2021.12.16
はんびらきは2月、3月と尻上がりに盛り上がっていった。利用希望者の応募の増加数が顕著にそれを表していて、1月は1組だったのが2月は6組となり、3月は11組がはんびらきに参加してくれた。
3月の新規参加者は全体の約2/3となった。 過去の参加者にはリピートして場所を利用したい方たちが多くいらしたが、はんびらきに初めて興味をもった人たちがちゃんと新規参加できる枠組みを設けた。
携帯電話キャリアで顕著な新規ユーザー優先の施策ではないが、プロジェクト初期段階においてまずは関係者をたくさん増やすフェーズだと考えた。はんびらきへの参加者したハンドメイド作家さんたちから話を聞いていると、作家さんの周囲にはんびらきに興味を持っている人たちがまだ多くいることも何となくわかった。多くの人に出会ってはんびらきに共感、参加してもらうことで、プロジェクトを拡げる仲間としても関わってくれる人たちがその中から現れてくることを期待した。また、こうした参加型のプロジェクトでは継続によりコミュニティが固定化されて、参加者の中である種ヒエラルキーができてしまうような課題を初期段階から乗り越えたい思惑も少し持っていた。活動を継続していく上で常に新しい人を迎え入れる態度を持つことはとても重要に思っている。
3月の募集方法では、新規参加者と 参加経験者とで応募期間に時間差をつけた。優先的な日程で新規参加者を募集、面談し、開催希望日を4日間まで伺って日程調整し、 新規参加者の開催スケジュールをフィックスさせた。その後、参加経験者には残った日程のなかで、同じく4日間までを自由に選択してもらった。
3月の新規参加者の日程調整はアナログ的な作業だったが、経験者の日程調整のために、はんびらき専用の予約サイトを立ち上げた。これは、自分がかかえる別の業務の時間を確保するために取った方法だ。はんびらきの実行部隊は私一人だったが、信頼関係をベースにしたプロジェクトゆえに参加者(特に新規参加者)とのメール等でも丁寧なコミュニケーションを心掛けていた。しかし、3月に関係者が多くなったことで膨大となった日程調整に関するコミュニケーションだけでも省略可、自動化しようと考えた。
結果を言うと、課題はたくさんあった。既存システムを利用のため、はんびらきへのジャストフィットは難しく、細かな部分で「もっとこうしたい」があった。例えば予約開始日の設定ができなかった事でフライングで予約してしまった人がいた。それにより、その予約を削除し、削除した旨を利用者にお知らせし、予約開始時間直前までフライングがないかチェックする必要があった。サイトを構築することにかけた労力も合わせると、手間が減ったとは言い難かった。 会社に所属する身として勤務時間の多くを まだマネタイズできていないプロジェクトに費やすのも違うと思うし、 すべての対応を一人で継続させるのは困難だ。 一人での運営を前提にした開催規模の適正化、より適切な自動化システムの構築、 参加者の支援によるチーム体制の構築。これらすべてを徐々に固めていく必要があると感じた。(山室興作)