はんびらき⑧
2022.01.21
プロジェクトをプロジェクトたらしめるため、ロゴデザインをつくることとなった。単発の企画で終わらせず継続して進めていく意思、仙六屋の覚悟でもある。
はんびらきの特徴として多様な参加者の存在があげられる。内容の様々なお店やイベントが日替わりで行われても共通のイベントだとわかる何らかのアイコンが必要だと感じた。
仙六屋の隣にはインキュベーション施設「KOCA」があり、多様なクリエイターが入居している。仙六屋もオフィスとして利用しているが、同じくKOCAに入居するデザイナーユニット YOCHIYA のお二人にロゴデザインを依頼をした。どんな雰囲気のプロジェクトなのかを理解していただくため、はんびらき作戦会議にもご参加いただいた。
一般的に何かをデザインするとき、提供するサービスの対象となる明確なターゲット(客)に刺さるようにビジュアルを固めていくのだと思われるが、はんびらきの場合はまちにいる人が全員ターゲット(関係者)である。街を構成する場所を持つ人、借りる人、立ち寄る人、素通りする人といったそれぞれの立場は、ふと何かのきっかけで入れ替わる。YOCHIYA にはそうした意図を丁寧にくみ取って下さり、またこちらの思考を拡げていただき数パターンのラフデザインを出していただいた。その中から最終的に4案にまで絞ってまとめていただいた。
4案のなかから1案にして最終決定するべく、はんびらき会議を開いて参加者に来ていただき、仙六屋スタッフも加わってみんなで投票を行った。
結果、最多得票となったのは参加者の満場一致+私の投票した「のれん&シャッター案」で、現場を経験した人たちの意見が通った感じだ。
はんびらきのイメージをストレートに表現されていて、閉ざされたシャッターが、開店をイメージさせるのれんのようにめくられている。色味の好みでの決定を避けるためにグレースケールでの発表だったが、本来は様々なカラー展開が可能なデザインとなっている。ロゴは3色で構成されていて、その組み合わせは自由にできる。開催場所が変わり、場所を持つ人や借りる人の組み合わせが変われば、それはオリジナルで新しいはんびらきとなる。その際、それぞれの立場の人にカラーを選んでもらい、オリジナルの組み合わせのはんびらきロゴとして機能することも考えられている。
次点だった「招き猫案」も捨てがたかったが、はんびらきが大きく拡大していくことがある時など、もしかしたらキャラクターとして登場するかもしれない。
その時のために次なる開催場所でロゴを使いこなしながら新しい事例をつくり、よりノウハウを蓄積していきたい。