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カマタ_ブリッヂ1F再開発 ⑦

2021.07.23

カフェ&バー「SSYET」 がオープンして約半年が経った2020年11月。お店がまちの風景に馴染んできた頃、予想を超えるできごとが起きる。

いままでずっと反応もなかったパン屋予定地の101に、知人や募集サイトを通じて問い合わせが3件も立て続けに届いたのだ。

そしてその3組とも内見をしていただき、3組とも入居申し込みの連絡を受けた。パン屋さんにどうやってこの場所を選んでもらうかを考えていた立場なのに、急に選ぶ立場になってしまった。とてもありがたいお話しであることには間違いないが、非常に頭を悩ませる状況となった。3組が三者三様で、お店がオープンしたらバズる可能性をそれぞれ感じたからだ。

内見の直前までフランスに在住してパンづくり以外にも様々なご経験を積まれたフランス人と日本人のご夫婦、柔和な雰囲気で無添加で体に優しい純朴なパンづくりを目指す男性、 バンド仲間のような勢いと雰囲気を持った 知人の某有名パン屋で修行中のトリオ。

通常こうしたテナント募集は先着順で、オーナーがよければ申し込みが早かった方から優先的に手続きが進んでいくものだが、パン屋限定という特殊な募集をするくらいこのプロジェクトの根幹部分だったので特にこだわりたかった。隣のSSYETや今後の103の募集とのバランスも重要な要素だったので一定期間を設けさせてもらい、弊社代表で建物オーナーでもある茨田と仲介を依頼している東京R不動産の柳澤さんと熟考を重ねた。

この答えを出すのはとても難しく、出すたびに揺れ動いたが、最後は「本藤さんでいこう!」とみんなで納得した。

こうして念願叶い、カマタ_ブリッヂ1階にパン屋さんが誕生することになった。
2021年7月。 紆余曲折を経ながら出来たのは、無添加で体に優しい純朴なパンづくりの「SONGBIRD BAKERY」だ。

仙六屋はずっと「この場所にパン屋さんを呼び込みます!ここに出来ます!」と宣言して粘り続けてきて、まだ何も決まっていない段階でも「いつごろパン屋はできるの?」「パン屋の誘致頑張って!」という質問や応援をいただき、近隣の方々の期待をずっと肌で感じていた。

オープン初日の様子を覗きに行くと、雨の中にもかかわらず開店前から待っている方たちがいた。 SONGBIRD BAKERYとの良い出会いによってきちんと形にでき、ずっと感じていた地域の期待を裏切る結果にならず良かったなとホっとしている。

カマタ_ブリッヂ1階は、シェアオフィス時代を経て「小さな商店街」を目指している。1階にはパン屋とカフェが揃いった。残るはひとつ、カマタ_ブリッヂ103のみとなった。 (山室興作)