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カマタ_ブリッヂ1F再開発 ⑩

2021.12.08

2019年から始まった1階の再開発 カマタ_ブリッヂ2.0 は、3つ並びの店舗が全て埋ることで整った。

このカマタ_ブリッヂのプロジェクトは、1階にまちに開かれた場を持つ良質なコンテンツを備えることで、上階の居住者だけでなく近隣住民の生活にとってもプラス、さらには地域への波及効果を目指してきた。これは建物全体のコンセプトで、シェアオフィス・ものづくり工房時代からそのまま引き継ぎ、より地域に親しい関係性をもつ1階づくりの検討を進めた。

不動産視点でこの建物を見ると、1階の店舗3部屋つより上階の住居8部屋のほうが収入のボリュームは大きい。それゆえ住居の魅力度・満足度を高めるための1階とは何かをプロジェクト担当が意見を出し合いながら考えた。「アトリエ系パン屋」といったキーワードはこの時生まれ、コンサルに頼らず自らリサーチを行い、住宅街のど真ん中でのテナント募集でパン屋を決め打ちして行ったことは、まちづくり界隈で新鮮さをもって評価を受けた。

その後の募集は全くスムーズではなかったが、結果的に「はんびらき」プロジェクトが誕生し、蒲田エリアでの日常生活で気分を上げてくれる魅力的な3店舗が1階に揃い、現在大いににぎわいを生み出している。

ただ、人気店が3つも集合したことによってお客さんの駐輪スペースがないことが顕在化されるようにもなった。蒲田は自転車利用者の非常に多い地域ゆえにこの問題に苦慮しているが、敷地以外の場所に交渉を持ちかけながら解決する方法を現在探っている。 また、2020年からの新型コロナウィルス感染拡大といった社会的状況を踏まえても、コンセプトへのこだわりによって自ら機会損失(≒得られたはずの収入の放棄)を広げていたことは振り返って考える必要があるだろう。空室になった瞬間に次の入居者で埋まったり、これまでかけた費用に見合う効果があるのかはまだわからない。この結論は各店舗とのコラボレーションによる仙六屋カフェの強化など、今後のわれわれの展開次第でも変わっていくのだろう。

これからカマタ_ブリッヂの第2章を紡いでいく1階店舗を見守りながら、状況の変化に呼応した次なる一手を考えたい。(山室興作)